ご挨拶
北海道、特に札幌は病気療養児・者の医療や福祉そして教育において全国でも先進的に取り組んできた地域です。このたび、その北海道で日本育療学会を開催でき大変嬉しく思います。本学会は病気や障がいのある子どもが現在から未来にわたって、充実した生活を営むために、医療や福祉、教育の関係機関が一丸となって研究を深め、さらにその成果を各々が持ち返ることを目的としています。
私たちが関わる病気療養児・者は治療を終えたとしても、その大半が病気を抱えながらその人生を歩んでいかなければなりません。今回はそのような病気療養児・者を長期にわたって支えるための多職種間連携がテーマです。
大会初日は基調講演として、「わが国の病気の子どもの教育の在り方に関する研究」をされている日本大学の西牧謙吾先生に、熱くお話しをしていただきます。2日目午前は全国各地の会員のみなさんからの口頭発表、さらに午後は「病気や障がいのある子どもの生活を長期に支える仕組み」について、3名のシンポジストに話題提供をしていただきます。それぞれのお立場からの講話とその後の意見や情報を交換することで一つでも多くのヒントを持ち返っていただきたいと考えています。またポスター発表で多くの実践について触れ、学びを深めていただければと思います。
本学は新札幌キャンパスに経済経営学部(経済学科・経営学科)と心理学部臨床心理学科の2学部3学科、さらに文京台キャンパスに人文学部(人間科学科・子ども発達学科・英語英米文学科)と法学部法律学科の2学部4学科があり、恵まれた環境の中で約3000名弱の学生が勉学に励んでおります。本大会は、公共交通機関の利便性を踏まえ、新札幌キャンパスで実施することになりました。是非学内も見学してください。
今回の学術集会は、小・中・高等学校、特別支援学校の教員、大学教員さらには医療、福祉、保健関係者、当事者とその家族、そして大学生・大学院生など、病気や障がいのある
子どもの幸せを願う多くの方々に参加していただく予定です。みなさま方にとって、実りある時間になることを期待しています。
大会2日間に向けて、実行委員一同、準備を重ねていきたいと考えております。数少ない実行委員で取り組んでいきますので、配慮が行き届かないところもあるかもしれません。お気づきの点がございましたら事務局まで連絡いただければ幸いです。
晩夏の北海道でお待ちしております。
日本育療学会第29回学術集会
学術集会長 栃真賀 透(札幌学院大学人文学部 特任教授)